拝啓   美堂 蛮 様



 

蛮ちゃん、お元気ですか?
オレはいつものように元気です。
今、オレは出すはずのない手紙を書いてます。
でも、なんか照れちゃったりするね。




ねぇ蛮ちゃん。
オレね、蛮ちゃんのその瞳が好きなんだ。
紫闇の瞳
見てると吸い込まれそうになる瞳。
でも…凄く…優しい瞳。
オレの寂しさも全部分かってくれているような。
綺麗な瞳
何も言わなくても蛮ちゃんの瞳を見ているだけで
なんだかすっごく安心するんだ。
あとはね、蛮ちゃんのフッて笑うトコ。
その笑顔を見てると、オレも嬉しくなるんだ。




あの日、蛮ちゃん言ったよね?
 「Get Backersの‘S’は、ひとりじゃないっていう意味」
だって。
そう言って手を差し延べてくれたよね。
オレ、その言葉がね。
すっごくすっごく嬉しかったんだ。
オレも蛮ちゃんと一緒なんだって…
一緒にいてもいいんだよって…
 「雷帝」じゃなく、「天野銀次」として
そばにいてもいいんだよって言ってくれたね。
あの日ね、オレの心に降り続いていた雨に、
蛮ちゃんが傘をさしてくれたんだ。


あの日のコトバ。


差し出してくれたあの手のコト。


オレ、絶対、一生忘れないよ。
ありがとう、蛮ちゃん。
ほんとにありがと。




オレ、いつも蛮ちゃんに守られてばかりだよね。
でもね、でも。
これからはオレも蛮ちゃんを守りたい。

蛮ちゃんを助ける翼になりたい。
蛮ちゃんを守れる翼が欲しい。

だからカミサマ。
オレに力を下さい。
雷帝じゃなく、天野銀次として。
蛮ちゃんを守れる力を下さい。

カミサマ。
オレの願い、どうか叶えて下さい。




…もうじき夜が明けるね。
蛮ちゃんは今日もまたいつものように、
オレのコトをこづくんだろうな。

「ったく…早くしろよ。銀次」
「何やってンだよ。銀次」

って、いつものように怒鳴るんだろうな。
でもね、オレ、蛮ちゃんの怒鳴り声、実は好きなんだ。
エヘッ、そんなコト言ったら、蛮ちゃんはまた怒るだろうね。
でもね、蛮ちゃんがオレの名前を呼んでくれる度に
そばにいてもいいんだ。って。
当たり前のようにいてもいいんだ。って
そこにオレの居場所がある気がするから。

…だからまた今日もオレの名前を呼んでね。
蛮ちゃんのその声で…
ここが、蛮ちゃんの傍だけが、オレの居場所だから…




蛮ちゃん。
これからもよろしくね。




追伸    蛮ちゃん。大好きv


                     天野銀次より

 




作:2001/06/19