5:邪心は嗤う




大まかなストーリー:
 一言で言えば、何があっても聖にとっては弓生が一番な巻です。分かっているけど(笑)
 知徳=道満だと分かり、道満は清明さんを殺した張本人で弓生は恨んでいて殺したいんだけど、達彦は殺さないで生け捕れって命令するし、でも『本家』の意志に背いて怨鬼になって殺しちゃったら清明さんとの約束を破ることになるし…と弓生にとって悶々とした日々が続き、聖はそんな弓生の気持ちを痛いほど分かって、達彦に命令を撤回しろと抗議に行ったら監禁されたりと、これまた色々あってありすぎて大変な巻です。二人の夫婦の絆が巻を追う毎にひしひしと感じられますv



 前巻ラストに引き続き、聖の可愛い看病シーンから始まります。もうホントやばいくらいにラブラブで誰も見舞いに来れないのは、二人のラブラブオーラに当てられるからだと踏んでます!(笑)
 そして聖はまるでおも○ッきりテレビのような身体にいい梅干し茶を出します。きっと聖は風邪引いたら首に焼いたネギ巻いたり、大根と蜂蜜の上澄みから薬を作ったりと身体に良いモノをいっぱい作って看病してくれるに間違いなさそうです(笑)


 そして旦那の体調も落ち着き安心した聖は、からかい相手・三吾の所に行って、手相を見て貰ってからかったりからかわれたり、最後は拗ねたりと可愛いシーン目白押し!いつまで経っても子供っぽい聖が可愛くて可愛くて仕方有りません。弓生が千年以上も手放さなかった理由も分かるっつーの!


 そして佐穂子と会い、仕事後だったので泥だらけ。それでもヘラリと笑う聖に、佐穂子だけじゃなくアタシもドキドキです!(笑)思わずグッサリとハートに矢が刺さりましたよvvvその泥を拭いてあげようと手を伸ばして聖の頬に触れようとしていたことに気付いてドキドキが最高潮に達して手が止まってしまう佐穂子の気持ちも分かるー!この辺はなんてぇか、佐穂子とシンクロしてましたよ。シンクロ率高過ぎて暴走するかと思った!(エ○ァ?)
 その後に佐穂子から告られ、ちょっと男前な聖きゅんvvvv


 同じ時間に弓生は達彦から命令(道満を殺さないで生け捕る事)を受けていて、話が終わるや否や「これで失礼します」と言って食事中ですが帰ろうとします。「此処の料理は口に合わなかったようだね?」と言われたとき、誰もが心でツッコんだはず!
 「いや、弓生は聖が作った食事以外は口に合わないからっ!(笑)」
…勿論、私もソッコーでツッコみました!(笑)
 そして家に帰ったら帰ったで、聖がソファで昼寝してるし!ちくしょー、可愛いなぁ〜vvvv
 しかもしかも!シャワーを浴びっぱなしのまま昼寝してるから、髪の毛も湿ってて貼りついているそうで…可愛すぎvvvvv弓生はそんな聖の寝顔をしばらく見つめ…ただけか?ホントに?可愛くて無防備な寝顔に理性が保てるわけないって!しかもしばらく見つめてたんでしょ?嘘や〜ん!絶対チューくらいかましたって!聖が気付いてないだけvv←妄想暴走中(笑)


 そして弓生のチューで目覚めた聖。(だから違うって!)
 未だ病気なのに勝手に外出したことにプンプン怒ります。沢山心配したが故にプンプン!(笑)
 でも弓生の表情が辛そうなので、直ぐに機嫌を直し『ユミちゃんなにかあったんか?』と、心配モードに入ります。こうゆうトコが可愛いなぁ…vvvv
 そして食欲がないと言う弓生に、昼間佐穂子から見舞いで貰ったフルーツを切ります。ってか、この時に弓生は佐穂子が聖に告ったことを間接的に分かります。恐らく『しまった!先を越された!』と思ったことでしょう(笑)そしてその時にヤキモチ故に「佐穂子に恋愛感情を持つことは俺は感心しない」とキッパリと言います。ユミちゃんってばヤキモチのクセに素直じゃないんだからv(笑)


 そしてその後、弓生の悶々理由を聞き、『本家』の意向を聞きキレる聖。当たり前っすよね!清明さんを殺した張本人が蘇って二人の前に現れたのに、「殺すな」って命令だからね。しかもその命令を弓生が引き受けたことにもショック。道満を一番殺したいのは弓生なのに、その弓生が殺さない命令を受けて―また怒りも悲しみも自分の中に押し止めなければならない弓生の気持ちを考えると聖は辛くて辛くて…
 しかも当の本人―弓生自身からも
「お前が『本家』の指示とはずれた行動をとったらこの件からは手を引いて貰う」
 と冷たく言われ、聖は嗚呼、ショック。かなり傷付いてしまいます。多分泣きたいのを我慢しているに違いありません!
 んもう!ユミちゃんってば言い方キツ過ぎだってば!


 それでも納得できない聖は達彦に直接文句を言おうとしますが、考えてみれば使役鬼のクセに『鬼つかい』んちを知りません。余程『本家』から遠ざけて来たんだなぁ…弓生ってばv
 仕方なく達彦んちの住所を聞こうと三吾んちに行くと、三吾は三吾で少し前に兄と色々あったようで、ヘタレになっていました。そこで住所を聞くのは後回しにして、三吾の愚痴を聞きながら、世話焼き聖は冷蔵庫の残りでスープを作ってくれます。残り物でテキパキ作れるなんて、嗚呼…主婦の鏡だわv
 そして三吾を励まし元気付けた聖は、その足で達彦に文句を言いに行きます。
 昔からそうなんだけど、相手が誰であろうと決して態度を変えない聖が大好きですっ!今回も相手が達彦だろうと、「鬼つかい(代行)」だろうと関係なく、自分の言いたいことをぶちまけます。それでも達彦は『道満生け捕り』の命令は撤回しないので、「オレはその命令は受けん!」とビシリと言い放って出ていこうとしますが、結局この後監禁されちゃうんですね〜。しかも聖が最も苦手とする結界まで張られて…あらら。
 その後監禁されている聖に会いに来た弓生だけど、結界があるのである程度の距離以上は互いに進めなくて…この触れ合える距離なのに触れ合えないもどかしさが溜まりません!でも監禁されようとも自分の意志は曲げない聖―。
 「ユミちゃんの代わりにオレが道満を殺したる」と言う聖に「誰がそんなことを頼んだ」と言う弓生。しかもしばらく此処にいて頭を冷やせ―とまで言われ、聖は嗚呼…ショック。
 
 弓生の辛いことは自分も辛い。命令に背くことが弓生には出来ないなら自分が代わりになんだってやってやると言う聖―
 聖が単独で挑んで、もし万が一の事があったら…聖を失うことをなによりも恐れる余り神島に監禁して貰おうとした弓生―
 いつでもお互いが一番大切で守りたくて、なのに余りに大切過ぎて相手にとって一番だと思うことをしたのにすれ違ってしまう気持ち。このすれ違いが結局最悪な結果を生んでしまうんですよね。なんて不器用なヤツらなんだっ!(泣)←二人の気持ちが切なすぎてちょっと泣けた。


 考えてみれば、この時に会ったのが最後だったんだよね。この後、聖は結界を無理矢理破って監禁場所から抜け出して道満を倒しに行こうとして返り討ちにあって殺されちゃって、弓生は助けようとしたのに間に合わなくて…ううっ、それを思うと切なさが押し寄せてきます。(泣)←切なくてまた泣けた。


 …と、まあこの後は「聖の気持ちを考えると神島家に監禁させるのは酷すぎる」と三吾に責められたり、聖はきっと監禁先でも弓生のことばっか考えてんだろーな…とか、弓生は珈琲を飲みながら聖のメシが食べたいとか思ってんだろーな…とか妄想の華が咲きますv


最後に好き台詞というか好きシーン。


もしも弓生があのまま戻らなかったら、最悪の事態が起こっていたら。
―弓生が居なくなった途端に聖は自分を支えられなくなる。



―守ってやれ。見た目ばかりを信じてはならぬ。あれは、多分おまえよりも弱い。
(ああ。わかっとるで、じーさん)
遠い日に、あの陰陽師と約束を交わしたのは、弓生ばかりではない。



 他にも色々あるんですが、なんというか、本当に聖は弓生が大切で大切で…弓生が居なかったら今まで生きて来れなくて。
 勿論、弓生も聖が大切で大切で…聖が居なかったら生きて来れなくて。
 今回はその『大切』がすれ違ってしまい、読んでいて本当に切なかったです。
 この切なさは次巻にも続くんですよねぇ…。


…あれ?最初は弾けてたのに、最後はしんみりしてるよ(笑)






   



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